ホテルレベニューマネジメント用語インデックス(2024.01.19更新)

レベニューマネジメント重要用語

レベニューマネジメント基本用語集

購買者の自慢話から見る多角的価値観:「自分が受け取る価値」と「他人が受け取る価値」の違い

購買者の自慢話(それぞれの立ち位置による価値観の違い)

「俺はこんなに粗悪なものをこんなに高い料金で買ったんだ。どうだ、すごいだろ?」

という自慢話を聞いたことがありますか?

恐らく自虐的な笑い話ならあるかもしれませんが、こんな自慢話はあまり聞いたことがないでしょう。
大体の購買者の自慢話はこうなるはずです。

「俺はこんなに素晴らしいものをこんなに安く買ったんだ。凄いだろ」

何かを購入した際の自慢話は【優れた商品を、安く購入した場合】に起こることが多いです。例えば、

  • ブランド物のバッグをネットオークションで半額程度で手に入れた
  • 高級ホテルを何らかのセール割引で非常に安く予約した
  • 家電製品をポイントを使用してただ同然で手に入れた

これらがよく聞く購買者の自慢話です。
購買者は自分の欲求を満たすためにできる限り最高の条件で商品を購入できるように努力をするため、こういった自慢話が生まれます。

ただし、これは自分が自分の為に商品を購入する場合です。

これが例えば両親や家族、恋人へのプレゼントだったらどうでしょう?

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RN(RoomNights)・PRS(Person)/販売客室数・販売客室人数

RN・PRSって……?

RNはRoomNights、PRSはPersonの略語で、
販売できた室数、人数を表す用語となっております。

RNに関してはしばしば耳にすることもありますので覚えておくに越したことはないでしょう。ちなみに「ルームナイツ」と発音します。

PRSは帳票上で目にすることがある程度で、会話で使っているところは見たことがないです。多分「○○人泊」などが一般的なような気がします。(違っていたら申し訳ないです)

ちなみにPRSはPAXと呼ばれることもあるようです。
なんでも航空業界での用語らしいですが、実際に耳にしたり帳票で見かけたりした経験はありません。

なんだかあっさりした説明になりますが、ルームナイツはよく耳にする用語なのでルームナイツ=販売客室とインプットしておくだけで良いと思います。

OH(OnHand) / オンハンド

OH(OnHand)って……?

OnHandとは現在持っている予約のことをいいます。

手元にある予約、手持ちの予約……という意味合いなのかどうなのかは分かりませんが、OnHandというのはその施設の現状を確認するためのものと覚えておきましょう。

よく帳票などではOHと略されているところを見かけますので略語として「OH」でインプットしておくとよいでしょう。
ただし言葉にするときはオンハンドでないと通じないのでご注意を。

OH表を作ってみよう

ホテルの現状を確認するための帳票、それがOHだとして何が確認できると良いでしょう。

  1. 売上
  2. 販売客室数
  3. 人数
  4. OCC(客室稼働率)
  5. ADR(平均客室単価)
  6. RevPer 続きを読む

リードタイム1 / お客様は”いつ”ホテルの予約をしているのか

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リードタイム(Lead time)って……?

例えば4/1の販売室数が50室だったとして、その50室はどのように売れたのでしょうか?

4/1に突然50室売れたなんてことは考えられませんよね。この場合、着地点の50室の販売につながるまでに当日、前日、一週間前、一ヶ月前など、様々な期間に少しずつお部屋が売れていって、最終的に50室まで積み上がったことが予想されます。

この宿泊日と予約日のタイムラグが「リードタイム」という概念です。

貴方なら”いつ”ホテルを予約しますか?

貴方がどこかのホテルを予約する時に大体どのくらい前に予約をするか考えてみてください。

一ヶ月前でしょうか? それとも一週間前くらいでしょうか? それとも当日でしょうか?

例えばGWやお盆、年末年始などのいわゆる超特日に関しては早めに予約を検討するはずです。理由は早く予約しないと満室となり予約できないかもしれないからです。この場合は半年前か或いは1年前くらいから予約を取る場合もあるかもしれません。

では、一人旅ならどうでしょう? それほど遠くでなければ直前まで迷って2,3日前に予約……なんてこともあり得るでしょう。なにせ一人旅ですから、予約をミスしても迷惑をかける人がおらずいくらでもリカバリーがききますよね?

出張で宿を探すなら料金を確認しながら最低でも1週間前までには予約をして準備をしておきたいところです。

……。

と、様々考えてみるとわかるのですが「誰と行くか」「いつ行くのか」「旅行の目的はなにか」で予約するタイミングが変わってくるはずです。

ここが結構複雑なのですが、単に顧客属性によってリードタイムが変わってくるという話ではなく、シーン、目的、人数などの要素が複雑に絡み合って予約タイミングに変化を及ぼしているのです。

またリードタイムによって平均単価も変化することも覚えておきましょう。
早割や募集型ツアーなどを販売している場合はリードタイムが遠い方が安値傾向ということもあるため、絶対的に早いリードタイムで満室になればいいというものではありません。

セグメントによるリードタイムの違い

  1. インバウンド
    コロナ前では平均リードタイム60日前程度と言われてました
  2. ビジネス
    2週間前から当日にかけてくらい。出発地と宿泊地の距離が短くなるとリードタイムも短くなる傾向があります。
  3. リゾート目的
    30日前~60日前がもっとも多い

などの特徴があります。……正確にはありました。

コロナ後の世界ではリードタイムもかなり変化しています。

コロナ禍でのリードタイムの変化

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コロナウィルスが猛威をふるい、旅行業界が阿鼻叫喚とする中、旅行に関してもマイクロツーリズム(エリアツーリズム)が主体となり、リードタイムも短縮傾向になりました。

60日以上前の予約に関しては激減し、30日前から当日にかけての予約が増加しました。

早く予約をとったところで緊急事態宣言やまん防などが発令されたらキャンセルをしなくてはいけませんから、とりあえず直近で旅行できそうか判断してから予約しようというのが顧客心理でしょう。

これによって当日に大人数のファミリーの予約が落ちてきたりと、これまでにないようなことが起きるようになりました。

早い段階であまり動いてくれないためオンハンドからどの程度動くかも予想しづらい状態がずっと続いています。

対策としてはリードタイムをしっかりと記録、分析して自分の施設がどのような傾向で販売できているかを確認するのがいいでしょう。

TL-リンカーンやねっぱんであれば分析ツールから「ブッキングカーブ」の確認が簡単にできますので、まずは月別で確認してみましょう。

Restriction 2 / 販売制限のアレコレ。使用するタイミングや日本と海外の違いなど

f:id:dngn:20220324165925j:plainRestrictionのアレコレ

レベニューマネジメントでいうRestriction

前回の記事ではふれませんでしたが、Restrictionを学ぼうとすると以下の用語がすぐに見つかるかと思います。

  1. MLOS = Minimum Length of Stay(連泊制限)
  2. CTA = Closed to Arrival(到着日制限)

MLOSは最低滞在日数を設定し、条件を満たさない限り予約ができないという制限、CTAはある到着日からの予約を制限するという制限方法です。

どうやらレベニューマネジメントにおけるRestrictionの中では上記の二つが主流のようです。

ただ、前回も触れましたが上記制限は国内OTAでは設定が難しいかと思われます。MLOSはともかく、CTAは結構な手間になるでしょう。

ではなぜRestrictionといえばこの二つがすぐに挙げられるのか……答えは海外と日本のホテルの売り方の違いによるものかと思われます。

日本と海外のホテル販売の決定的な違い

日本と海外の違いを簡単に表せば、プラン売りか部屋売りの違いでしょう。

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Restriction (リストリクション)/ 販売制限をかけて売り上げをアップしよう!

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ホテルの売り上げをアップするのに使えるRestriction

Restriction (リストリクション) って……?

ホテルの商品特性の一つに数量的制約を以前ご紹介したと思います。

夏休みやお盆・年末年始・GW等、需要が高まるシーズンでも100室しかないホテルは100室しか販売できません。

だからこそ需要の変動にあわせて販売価格を上げて売り上げを伸ばすわけですが、売り上げを伸ばす手段は価格だけではありません。

戦略的にRestriction /リストリクション(販売制限)をかけて商品やお客様の選別をすることで飛躍的に売り上げを上げていくことができます。

それではRestrictionの種類を確認していきましょう!

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